流派について

大きく分けて琴古流「唄口山型」都山流「唄口三日月型」があります。
琴古は“古典的で個性的”、都山は“斬新に洋楽的”の部分があり、
どちらも和楽器尺八の魅力を発揮しています。

暇さえあれば都山流本曲、段もの、古曲、分野問わず演奏しています。
尺八を“作る”と“吹く”は同じで、演奏をしながら尺八作りを探っていることになるのです。工房店舗から漏れ出る音に道行く人の耳はちょっとこちらに傾きます。

作業工程

真竹材の選別

冬、激寒期に竹藪に入り尺八材としての条件、太さ丸味、節間、硬さ、色つやに譜などなど吟味しながら掘り出した素材を製管師の眼からなお選別し直し毎年仕入備蓄にする。
製管師として気にいった素材に巡り合う楽しい時期でもあるが激寒期藪を歩いて掘る苦労は大変なものである。若いころの経験がよみがえる。


矯める

その制作過程の素材(1尺3寸~2尺4寸)を倉庫の中から探し出し、全体に3か所矯めるポイントを火であぶり万力でゆがみを矯正する。
自然の竹材は必ず曲っているもので真っすぐな竹はまずない。この矯める工程をしっかりやらないと今後の尺八作りに影響する。また矯めに耐えられなくはじけてしまうこともあるし逆にシワシワになったり凹んだりすることもある。
この竹材にとって過酷な過程をクリアしてすっきりとした完成品が生まれる。


開き

矯める工程をクリアしたスッキリと素直な竹材は、まず株根を整える鋸ヤスリを使いバランスを見ながら作業する。
山から切り出した時にはこの株の根っこにしっかりと土壌を抱えこみ大きさも3倍以上になっていてズッシリと重い、根と根の間の土を取り除き油抜きの過程を経て天日干しする。


開く

ここでのポイント中継の位置の割り出し。
下管~唄口までの長さ手孔の位置中継ぎの墨付け、間違えて切ると尺八にならない。ホゾの切りだしと補強、いよいよホゾ入れ上下真円のとれたロクロ挽きはのち中継ぎにガタガタ息漏れを生じないように上管下管を繋ぐ重要なホゾ、この摺合せは匠の仕事。
手孔はボール板で丸みに左右されないように真下に。


開き ホゾ作り

ホゾ竹の寸法にあわせてホゾ切り。
ここで真円のとれた引き締まったホゾ竹を使う。
下管(凸)と上管(凹)それぞれ擦り合わせながら、ガタガタしない緩まない抜き差しできるジョイントしたときに内径に隙間があってはお話にならない。しっかりした中継ぎに仕上げる。


唄口

唄口つくりには都古流の月型と琴古流の山型がある。
材は象牙(白)と水牛(黒)それぞれに24K金の金冠を入れることもある。工房によって顎あたりの角度も違っていると思うが容山工房はメリカリを自由に表現でき音幅音色の個性を保つにはこの角度にとどめている。
唄口の修理、水牛は虫に食われることがある、先端は極薄く、音にはもっとも重要な部分で細心の注意が必要である。もし欠けた時には目立つ部分でもあるので入れ替えた方がよい。本来と違う型に変更すると両端に入れ替え跡ができる。


地付け

中継ぎ、唄口、手孔と作りあげて内径の作業に入る。
まずは節抜き 管尻中継ぎ唄口から鉋ヤスリを使い均等に内径を整えていく。中は結構固くて手に豆ができる。
漆と砥の粉水と混ぜ合わせ竹棒の先に地を載せ内径に貼りつけていく。


調律

長年の経験で生み出していく内径と耳、ゲージとヤスリを持つ手先の感覚にすべてを集中し吹いては削り削っては地付けまた吹くの繰り返し納得のいくまで繰り返す。時にはどうしょうもない状態もある、その時は一連の制作流れから外すこともある。
苦戦に陥った時、恩師の教えを思い返す。何のこだわりもなくがむしゃらに作り上げていた頃にヒントがあるかもと。
調律過程が済むと管内の漆ぬり、琴古は黒漆、都山は赤漆に 棒の先に人毛製の歯ブラシの様な筆で仕上げていく。乾くともう一度調律の見直し、この一刷毛で変わることもある。


中継ぎ三線

中継ぎ三線は銅版と銀線または金線(24K)を繋ぎ合わせて作業し、銅板も金銀もカナ棒を使い尺八の丸みに合うようたたき出しロウ付けする(写真)。
上下管にはめ込んで接着剤で固定する。合い口を整えヤスリで金銀線に削りだし、ペーパー磨き粉でさらに磨きこみ金銀らしい艶をだす。その後漆で籐巻きの土台を作り籐巻きして中継ぎの完成。他に銀製の石目打ち仕上げもある。


化粧 艶出し

基本の銀三線籐巻き。
下管の抱き節から磨きをかけて漆でから拭き羊皮で磨き独特の株の艶を出す。
そのほかの部分はうずくりをかけると竹膚が垢抜け艶が増す。


容山工房に受け継がれている「匠の技」

故玉井竹仙師工房に内弟子として入門そのまま丁稚番頭を務めあげ、尺八を作って販売する難しさも学びました。

現在は竹仙師の教えを基本に今まで培った尺八をつくる技を今の尺八作りにどう生かすか、今求められている尺八の音色音量、どう吹きたいかなど、尺八の多種多様性を追求する工房であり続けたいと思います。

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